山峡の瀧が鼓の音を奏で、樹木が鬱蒼と全山を覆い、まさに秘境の霊域・・・山口市最古の名刹として知られる。千三百余年前、文武二年(六九八)神変大菩薩と崇められた僧役小角が、豊後国彦山から掛錫し、奥之院の岩窟に熊野権現を観請し、秘法の護摩供を厳修され「龍の蔵」と名付けられたことに始まる。次いで天平十三年(七四一)行基菩薩がこの霊域に溜まり、自ら千手観音を彫り、寺を建て奉安し「龍蔵寺」と名付けられました。古来山岳修行の行場であり、絶好の仙境として文人墨客も此処に遊ぶ者多く、現在にその名残りを留めている。国の天然記念物・樹齢約千年、日本一の高さ(50m)を誇る大銀杏の、紺碧の空に映える美しさ・・・落葉の金色の絨毯。
全山むせかえる新緑、燃える紅葉、その美しさは、涸れることのない水量豊かな名瀧と共に一種の荘厳さを持つ・・・。大内氏、毛利氏の時代には、その守護寺として保護されると共に、一般庶民の深い進行を集めた。一時期においては脇仏に奉安する馬頭観音の崇敬が驚く、観音観音浄土の霊験を顕した。多くの寺宝と伝説を持つ名古刹である。
(寺宝・文化財) |
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●胎蔵界大日如来坐像(国・重要文化財) |
●十一面千手観音菩薩(県・文化財) |
●毘沙門天立像(市・文化財) |
●不動明王立像(市・文化財) |
●ちょうだい地蔵石像 |
●聖徳太子立像 |
●伝画聖雪舟禅師の作、伝説の絵馬 |
●雲谷等顔作、三十三頭の絵馬 |