『一笑一少。一怒一老』というが、『一生一度。一度一生』でもあるんよ。
「一回笑うと一つ若くなる。一回怒ると一つ年を取る」というが、「一生は一度しかない。だから、一回一回を一生の事と思うて大切に生活すべし」というのよ。そもそも『一』は物の有(存在)の単位。始まりの『一』
自得さんの句に、
“一歩登れば 一歩に仏 夏木立” というのがある。汗をかきながらでも一歩一歩、 歩を進めてゆかなくては、きれいな風景も見えまい。
また、人間一つづつ若くなる事も大切だが、洒落た年寄りになる事も大切。むしろ 「一笑一幸福。一怒一不幸。」といった方がいい。一回笑えば一回幸福になれ、 一回怒ると一回不幸になると思え。笑いすぎて若くなりすぎるより、笑いすぎて日々 多くの幸福があった方がいい。一番素敵な事は、自分が笑い喜ぶと人も喜び、つい 笑顔になってしまう事である。人もいい気持ちになるって事。反対に怒ると人もいやな 気持ちになってしまう事である。
それは、怒った人へ二重三重の不徳となる。だからいい事も起こらなくなるって事だ。
笑顔は、己の徳分を増やす事にもなる。
人間って、いい事、嬉しい事があると、人にやさしくなれる。