鐘楼銅



 一音を聴き、一罪を滅すこの鐘は無明(無知)の闇を破り、菩提正覚(さとり・幸福に生きる方法)を成就せしむる法器である。自分の内なる佛性(佛の心)と同調するようとりわけ魂の響となるよう、澄んだ音を響かせるよう心してついて下さい。
「夫槌一打三千之衆雲集
          霜鐘三振四生之苦氷鎖」
それ槌一たび打てば、三千の衆、雲のごとくに集まり霜鐘三たび振るえば、四生の苦、氷のごとく鎖ゆ。
この大梵鐘は、太平洋戦争で供出された当山の梵鐘を昭和六十一年四月二十八日に復元したもので大梵鐘に刻んである文言は真言宗開祖弘法大師が紀伊国伊都郡高野寺(高野山金剛峰寺)に於いて七尺の銅鐘を造られた時の知識文で京都総本山仁和寺第四十五世門跡・真言宗御室派管長 松村祐澄猊下御揮毫になるものである。
「鐘をひとたび打ち鳴らせば三千世界(全世界)の大衆が雲のごとく来集し、またその鐘を三たび打ち鳴らせば、四生(胎生・卵生・湿生・化生の四種類の生きとし生けるもの)の間の苦患(くるしみやわずらい)が氷のごとくに解け去るという功徳がある。